ケータイを使う行為に、新しい価値を。
ケータイの画面・インターフェイスは、話したり、メールしたりする機能を使うために存在しています。 インターフェイスそのものは、機能のために、しょうがなく存在するもの。
話したい人の電話番号を打つこと自体は、目的ではなく、相手と話すためにしょうがなくやっていることです。
インターフェイスが、いくら使いやすくなっても、いくらかっこよくなっても、インターフェイスは、話したり、メールしたりするために、しょうがなく使う存在です。
しょうがないが、しょうがなくない、そうなったらなと考えました。
[CONCEPT]
コンテンツインターフェイスというコンセプト。
本来の目的のために最適なインターフェイスでありながら、本来の目的のために使ったり操作したりする「行為」そのものに、別の価値を持たせ、「行為」自体を楽しいものにし、インターフェイスそのものを、コンテンツにしようとする、新しい概念です。
本来の目的に最適な使いやすさと、使用することや、操作すること自体が、本来の目的と関係なく楽しい、その2 つが完全に同居するようなインターフェイスを考えてみました。
話したり、メールしたりするために、使ったり、操作したりすることが、別の楽しみを持つケータイ。使っていくうちに、ケータイ本来の目的を忘れ、インターフェイスを楽しむために、ケータイを使ってしまうようなケータイ。そんなケータイが、チームラボが考える新しいケータイのコンセプトです。
ケータイを使うために、必要だったインターフェイスから、使っていくこと、そのものが楽しいインターフェイスへ。
[PRODUCT DESIGN]
はっきりと存在するモノではなく、情報のカタマリのような存在。それは、まるでやわらかい光を握っているような、あいまいな存在に どこがモノとしての境界線なのかわからないモノ。
それはもはやプロダクトではないような、物質としての存在があいまいであるかのように表現したいと考えました。にぎったときにやわらかく、ぼんやりと、光に包まれている、そんなケータイをデザインしました。
[フィジカルタッチパネルスクリーン]
従来のケータイでは、ひとつのボタンにいろいろな表記があるために、普段あまり使わないような機能を使用しようとする際には、どのボタンを押せばよいのか分かりません。
actfaceでは、シーンによって変わるボタンの機能に合わせて、ボタン表記を変えることで、複雑なボタン操作をより分かりやすくしています。また、ケータイを操作する際の、「ボタンを押す」という行為そのものは、身体的に馴染みのあるものなので、そのまま大事にしたいと考えました。
そのため、ボタンの盤面はタッチパネルスクリーン上に「使い慣れたボタン配置」のまま、透明の樹脂ボタンを乗せています。
そうすることで、指先が覚えているボタン配置の感覚で、気軽にボタンを押すという身体的な行為はそのまま保ちながら、より快適にケータイを操作できるようにタッチパネル部分をデザインしています。
[EXHIBITION]
2007年 『ケータイがケータイし忘れていたもの展』(KDDIデザイニングスタジオ、東京)
[AWARD]
2007年 文化庁メディア芸術祭 アート部門 審査委員会推薦作品
[DOWNLOAD]
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